『ZERO to ONE(ゼロ・トゥ・ワン 君はゼロから何を生み出せるか)』 著者: ピーター・ティール
https://www.amazon.co.jp/ゼロ・トゥ・ワン-君はゼロから何を生み出せるか-ピーター・ティール/dp/4140816589
イーロンマスクさんが推薦しており、購入しました。
著書のピーターティールさんは、こう語りかけます。
「賛成する人がほとんどいない、大切な真実はなんだろう?」
P.29 本書について
本書は、これまでにないビジネスを成功させるために自らに問うべきこと、答えるべきことを提示するものだ。ここに書いたことは、マニュアルでもなければ、知識の羅列でもない、考える訓練だ。なぜなら、それがスタートアップに必要なことだから。従来の考え方を疑い、ビジネスをゼロから考え直そう。
以下、私が重要と思い、ハイライトした引用です。
P.21 はじめに
僕がペイパルとパランティアの共同創業者として、その後のフェイスブックやスペースXを含む数百社のスタートアップへの投資家として直接学んだことのすべてがこの本の中にある。その過程で企業には多くのパターンがあることに気づいたし、本書でもそれらを紹介しているけれど、この中に成功の方程式はない。そんな方程式は存在しないのだー起業を教えることの矛盾がそこにある。どんなイノベーションもこれまでにない新しいものだし、「こうしたらイノベーティブになれますよ」と具体的に教えられる専門家などいないからだ。実際、ひとつだけ際立ったパターンがあるとすれば、成功者は方程式ではなく第一原理からビジネスを捉え、思いがけない場所に価値を見出しているということだ。
P.23 僕たちは未来を創ることができるか
突き詰めて考えれば、未来とは、まだ訪れていないすべての瞬間だ。でも、未来がなぜ特別で大切かといえば、それが「まだ訪れていない」からではなく、その時に「世界が今と違う姿になっている」からだ。
〜省略〜
未来を正確に予測出来る人などいないけれど、次の二つのことだけは確かだ。未来は今とは違う、だけど未来は今の世界がもとになっている。あの逆説的な質問への答えのほとんどは、異なる視点で現在を見ているだけだ。視点が未来に近づくほど、いい答えになる。
P.29 僕たちは未来を創ることができるか スタートアップ思考
官僚的な組織は動きが遅いし、既得権者はリスクを避けたがる。機能不全が極まった組織では、実際に仕事を片付けるよりも鋭意努力中だとアピールする方が昇進しやすい(もし君の会社がそうならば、今すぐ辞めた方がいい)。
〜省略〜
前向きに表現するなら、スタートアップとは、君が世界を変えられると、君自身が説得できた人たちの集まりだ。新しい会社のいちばんの強みは新しい考え方で、少人数なら敏捷に動けることはもちろん、考えるスペースが与えられることが大きな利点になる。
P.41 一九九九年のお祭り騒ぎ
これらの教訓は、スタートアップ界の戒律となった。それを無視すると、二〇〇〇年のハイテク・バブルの二の舞になると考えられている。でも、むしろ正しいのは、それとは逆の原則だ。
1. 小さな違いを追いかけるより大胆に賭けた方がいい
2. 出来の悪い計画でも、ないよりはいい
3. 競争の激しい市場では収益が消失する
4. 販売はプロダクトと同じくらい大切だ
P.45 幸福な企業はみなそれぞれに違う
アメリカ人は競争を崇拝し、競争のおかげで社会主義国と違って自分たちは配給の列に並ばずにすむのだと思っている。でも実際には、資本主義と競争は対極にある。資本主義は資本の蓄積を前提に成り立つのに、完全競争下ではすべての収益が消滅する。だから起業家ならこう肝に銘じるべきだ。永続的な価値を創造してそれを取り込むためには、差別化のないコモディティ・ビジネスを行なってはならない。
P.145 隠れた真実 隠れた真実を見つけたら、どうしたらいいだろう?
人生は長い旅だ。先人の足あとが刻まれた道の終わりは見えない。でも、この物語の続きには、違う詩が現れる。
角を曲がれば、待ってるだろうか、
新しい道が、秘密の門が。
今日はこの道、す通りしても
明日またこの道、来るかもしれぬ。
そして隠れた小道を通り、
月か太陽へ、ゆくかもしれぬ。
『指輪物語』著書: トールキン、瀬田貞二・田中明子訳、評論社文庫
先人の通った道は行き止まりかもしれない。隠れた道を行くべきだ。
P.205 エネルギー2.0
どんなビジネスも答えを出すべき七つの質問
1. エンジニアリング
段階的な改善ではなく、ブレークスルーとなる技術を開発できるだろうか?
2. タイミング
このビジネスを始めるのに、今が適切なタイミングか?
3. 独占
大きなシェアがとれるような小さな市場から始めているか?
4. 人材
正しいチーム作りができているか?
5. 販売
プロダクトを作るだけでなく、それを届ける方法があるか?
6. 永続性
この先一〇年、二〇年と生き残れるポジショニングができているか?
7. 隠れた真実
他社が気づいていない、独自のチャンスを見つけているか?
P.253 停滞かシンギュラリティか
今僕たちにできるのは、新しいものを生み出す一度限りの方法を見つけ、ただこれまでと違う未来ではなく、より良い未来を創ることーつまりゼロから1を生み出すことだ。そのための第一歩は、自分の頭で考えることだ。古代人が初めて世界を見た時のような新鮮さと違和感を持って、あらためて世界を見ることで、僕たちは世界を創り直し、未来にそれを残すことができる。